2020.8.3
Artisanal Line
伝統から革新へ。Artisanal 001
– Artisanal 001 –
弊社AICHIYAより、伝統と革新のひとつのプロジェクトとして、昨年より始まったArtisanal Lineの第1作めであるこちらの製品。
Artisanal Lineは、伝統と革新に基づき、伝統工芸の技術やその良さを現代、そして未来へと伝え、継承しつつ、時代に適し変容した形で製作されたプロダクトラインです。
Artisanal というのは『職人技の』という意。技術的な部分のみならず、とりわけ大量生産製品ではなく、手作業により少量で丁寧に作られ、かつ芸術性を孕んだ製品のことを言います。
弊社ディレクターと三河仏壇の伝統工芸士による歴史と現代への取り組みです。
第1作目であるこちらの001は、上部より自然光が入るように作られており、かつて日本家屋にインスパイアされた巨匠建築家、フランク・ロイド・ライトのエッセンスをお仏壇として活かした製品になっています。日本の平家の構造である、仕切りを作らず空気を流す造りに注目したロイドライトのように、より開放的かつ、自然の要素と風合いを活かす造り、そして仏教としての禅の要素を融合させてデザインしました。
また、従来のような『仏花を飾る』形式を、一輪挿しで ” ikebana “として仏花を、それも仏壇の内部ではなく、戸板の壁面に添え、より花の美しさが際立つようにデザインしました。禅の空間演出としての、新しい『Less Is More(少ないことは豊かなこと)』の概念で作られています。わびさびの美意識とミースファンデルローエの遺したLess Is Moreの概念を包括したデザインの上置き仏壇です。
また、こちらはヒノキに摺漆(すりうるし)という、下地を使わず本漆(ほんうるし)を直接木地に擦り込んで吸わせていく技法を使っています。その吸水性を利用し、濃淡をつけ、表情を変えています。
『かつてヒノキでの摺漆は色味が均一に出来ない為、良しとされませんでした。しかし、侘び寂びの概念には、そういった一般的に欠損と呼ばれるような、均一でない様やムラなどを失敗ではなく、自然の創造物として受け止める事、苔が生えたり、木が風でしなったまま曲がったり、そういった姿形を”美しさ”としてとらえる考えに非常に共感し、このお仏壇には、ヒノキの木目のムラこそ、そのヒノキ板一枚一枚のいわば個性として受け止め製作しました。現代は多様性の時代。こういった今まで認められなかった考えを有りにしていく侘び寂びの考えは、非常にいまの時代に合っているのではないかと思います。また人間誰も完璧な人はいません。その不完全さを受け止めて前に進んでいくことは私たち人間においても、この侘び寂びの概念は非常に重要なのではないでしょうか。』
弊社ディレクター 太田壮一郎 談
上記に記したように、侘び寂びの概念(自然の変化や美しさを受け入れる、物事を不完成で終わらせ、そこに想像性が入り込む余地が生まれる。)を基に、装飾は控え、御本尊であるお仏像をゆったりと安置し、その瞑想、自問自答の空間としての意味をより一層引き立たせるような空間造りにしました。
そして仏壇最下部の底には、内側に斜めに切り込むことで、立体感と浮遊感を出しました。
そして内部、背板を漆黒に仕上げることによって、反射し、奥行きを感じるように見えるようにし、圧迫感を無くしました。
こちらのお仏壇は現在一点ものになっております。
気になられた方は是非ご来店、またはご一報くださいませ。
Artisanal 001 (アーティザナル 001)
size / H×54 W×40 D×40 (cm)
material / ヒノキ、本漆
8/16日まで特別価格でOn Sale。