お知らせ

2020.3.3

イベント情報

新デザイン部門 第三位 『伝統的工芸品産業振興協会賞』受賞!

 

先日 2月29日から3月1日に東京 浅草にて開催されました

【第24回 全国伝統的工芸品仏壇仏具展】にて、

弊社 伝統的工芸品仏壇 が新デザイン部門において

第3位の『一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会賞』を受賞いたしました。

また賞の総合として全国4位を受賞させて頂きました。

今作は弊社ディレクター 太田壮一郎によるデザインと監修により、三河の伝統工芸士職人と共に作り上げたお仏壇になります。

 

No.02 – Den –

Concept / コンセプト

伝統的工芸品仏壇の技術を未来へ伝えるという〝伝〟と、祈る人の願い、すなわち故人の方や 大切な友人、家族、恋人などへの祈りはもちろん、近年多発している震災やテロ、自然災害などで、直接的に面識のない人々や環境への祈りなど、人の祈りを伝えるという意味を込めての〝伝〟になっています。

– Den – と造り

元来、すり漆といえばケヤキが使用されてきた中で、- Den – にはヒノキにすり漆を施しました。その理由は、ヒノキは吸水性が高く、よく漆を吸うため、深く濃い色味が出ます。このヒノキのすり漆の濃淡と本漆の黒塗りとのコントラストによって、元来の日本人の精神性を品性と捉え表現しました。また、装飾を極力なくすことによって、伝統工芸士の技術の高さが引き立つよう、ひとつひとつの質感が際立つようにしました。

サイズはコンパクトなものの、構造は本式の伝統工芸仕様、つまり背後にホゾ組みを入れることで、簡単に分解できるようになっており、修復する際にも丁寧に仕上げられるようになっている。

〝人の心を投影するものなので、自然のもので造りたい〟

人の祈りは自然に発生するものと思っていますので、その祈りを介すお仏壇はやはり自然によって構造されたものであるべきというのが、弊社ディレクターの考えです。よって、電気を使わずに、金箔を須弥壇の内部全面に施すことによって、自然光を散光させ、お仏壇内部に明るさをもたらしました。また須弥壇のすり漆の丸棒をラウンドさせることによって、内部をグラデーション反射させました。

餝金具には日本の国花である桜、そして梅を、日本人の精神性のように控えめなデザインに施しました。また、横に施した組紐は願いが叶う『叶結び』、縁起の良い、良い兆しを意味する『吉祥結び』、そしてお釈迦様の螺髪の『釈迦結び』の三つの結びを取り入れました。

彫刻にも同様に縁起良く福を呼ぶ、『宝づくし』を選びました。

現在、一般的にお仏壇はご不幸があられたときに購入するものという印象として伝わっていますが、元来は農家の方々が豊作を祝ったりとお家の発展を願う対象として、そして何より、今を生きる方が、人生の苦悩を解消するために仏教の智慧、教え、哲学を受け、出会う場所がお仏壇なのです。つまり、『お仏壇=死』 ではなく 『お仏壇=生』ということをお伝えできたらと思っております。

 

最後に

今回の伝統的工芸品仏壇 – Den – を製作するにあたり、三河の伝統工芸士職人の皆様をはじめ、携わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。また今作を評価してくださった方々や、ご祝辞をくださった方々、誠にありがとうございます。

今後とも愛知屋仏壇本舗は伝統と革新を軸に、精進して参りたいと思いますので、お力添えをよろしくお願い申し上げます。